“痛くない”スプレー式インフルエンザワクチン「フルミスト」

林外科医院では今年も『経鼻インフルエンザ生ワクチン(フルミスト)』接種受付いたします。

来年より日本でも流通予定の「鼻からインフルエンザワクチン」フルミストは、すでに世界中で広く使用されている、鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチンです。
アメリカでは2003年から、ヨーロッパでは2011年から認可され、使用されています。
接種に針は使用しませんから痛くありません。しかも、普通のインフルエンザワクチンよりも、(特に小児の場合)ずっと効果が高く、安全性も高いとされています。痛くないし、効果も高く、安全という、とても良いワクチンですが、日本ではこれまで「認可」されておりませんでした。今年3月に国内製造販売承認が得られましたが、実際の国内発売・流通は来シーズンからとなります。

・接種方法:専用の接種器具を用いて、左右の鼻の中に0.1mlずつ、計0.2ml噴霧

・接種年齢:2歳以上49歳以下

・接種回数:2歳から8歳で初めての場合は2回ですが、それ以外は1回

・2回接種での接種間隔:4週間以上

・ワクチンの効果:約1年

・A型に対する発症予防効果:5歳未満89%、7歳までは83%と全体で80~90%

 

☆流行の株以外も予防
フルミストは、インフルエンザの毒性を弱めた生ワクチンのため、流行しているインフルエンザと株が違っても発症を軽減する効果が期待出来ると考えられています。
同様の理由で、B型インフルエンザに対しても十分な効果が期待できます。
通常インフルエンザウイルスは鼻腔から侵入しますが、その場所に直接免疫をつけるので発症予防効果が高いとされています。

 

☆以下の方におすすめです
・持病のない方で、注射の痛みに敏感な方
・不活化ワクチンを接種しても毎年インフルエンザにかかってしまう方
・受験生の方
・未承認ワクチンでも抵抗のない方

☆接種できない方
・2才未満、50才以上の方
・鶏卵・ゲンタマイシン、ゼラチン、アルギニンに対して重度のアレルギーのある方
・アナフィラキシーの既往をお持ちの方
・免疫不全の方、免疫の低下している人と日常的に接触する方
・過去4週間以内に生ワクチンを接種している方
・鼻水が出ていると効果が落ちるため、鼻水の多い方、泣いてしまうお子さんは難しい場合があります
・37.5度以上の熱がある方、体調が良くない方
・5歳未満で、今までに喘息があった方
・1年以内に喘息発作のあった方
・妊婦・妊娠の可能性のある方
・アスピリン服用中の方
・その他、医師が接種不適当と判断した方

 

☆接種に関する注意事項
・18歳未満の方は、原則として保護者の同伴が必要です。
・接種当日の入浴は構いません。
・生ワクチンのため、女性の方は2ヶ月ほど妊娠をお控えください。
・授乳中でも接種可能です。
・接種後すぐの過度な運動はお控えください
・従来の不活化ワクチンとフルミストの両方接種も大丈夫です。その場合注射の不活化ワクチンを年齢に応じた規定回数分接種後、28日以上あけてフルミストの接種をしてください。
・接種後30分ほどは、すぐクリニックに戻れる場所にいていただき、副反応などがないか十分観察してください。
・未承認のために、他のワクチンの同時接種はできません。
・フルミスト接種後には、2週間は抗インフルエンザウイルス薬の使用は控えてください。

☆副反応について
接種後3日〜7日で、30~40%の方に鼻水症状が出ることがあります。
咽頭痛や咳などの、軽い風邪のような症状が出ることがあります。
普通のワクチン同様、稀にですが、他のワクチンと同様に、発疹や蕁麻疹のほか、アナフィラキシーショックやギランバレー症候群のような重い反応を起こす可能性があります。

 

☆接種料金
1回 9,900円(税込)

 

☆予防接種による健康被害救済について
公的な補償制度は適応されません
輸入ワクチンの接種による健康被害が起こった場合、厚生労働省の「予防接種健康被害救済制度」による補償や、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の「医薬品副作用被害救済制度」に基づく給付は受けられません。
万が一、障害1級・2級に分類されるような重篤な副作用や死亡などの健康被害が発生した場合には、輸入商社(Monzen Corporation)による「輸入ワクチン副作用被害救済制度」による補償を受けることができます。

 

☆フルミストと抗インフルエンザウイルス薬の影響について
米国小児科学会より、
タミフル・リレンザをフルミストの48時間前から2週間後に使用した場合
ラピアクタをフルミストの5日前から2週間後に使用した場合
ゾフルーザをフルミストの17日前から2週間後に使用した場合
の使用に関して、注意喚起が出されています。
それぞれの期間に抗インフルエンザ薬は避けるようにしてください。
前4週間以内に生ワクチンを接種された、またリレンザ・タミフル・ゾフルーザ等の内服をされた方は、接種・内服から4週間以上空けてご予約をお取りください。また接種後2週間は抗インフルエンザウイルス薬の使用はお控えください。

 

☆同時接種について
フルミストは輸入ワクチンで、公的な補償制度がありません。
他のワクチンとの同時接種で、万が一予防接種被害が生じた場合、他のワクチンが原因であっても「予防接種健康被害救済制度」も受けられなくなる可能性があります。
そのような理由から、フルミストに関しましては、他ワクチンとの同時接種は行いません。あらかじめ、ご了承下さい。

☆備考
アメリカでは、昨年よりフルミストの予防効果が低下したデータが発表され、フルミスト接種を推奨していません。一方イギリスやフィンランド、カナダにおける調査ではフルミストも不活化ワクチンと同程度の有効性であったと報告されています。

 

☆在庫について

フルミストは輸入ワクチンのため、在庫に限りがあります。
※使用期限があるため、1月上旬まで予約を受け付けます。

 

〈当院で使用するワクチン〉

薬剤名 フルミスト(FluMist)

製造国 USA

製造元 MedImmune

販売元 アストラゼネカ 

Lot No. TJ2292